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ある視点部門

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「アメリカン・アニマルズ」と「最後の決闘裁判」という映画を観ました。

アメリカン・アニマルズは、実際にあった事件の、4人の受刑者のそれぞれの視点から事件を見るというドキュメンタリー風の作り。

最後の決闘裁判は、ノンフィクション小説を基にした、ある事件の当事者3名のそれぞれの視点から事件の前後を見ていくという作り。



どちらの映画にも共通しているのは、それぞれの視点から一連の出来事を見る、ということ。

それぞれの視点から一連の出来事を見ると何が見えるのか。

まったく別のストーリーが見えてきます。

出来事は変わらないけれど、出来事の意味がまったく違うものになります。

誰の視点を信じたいですか。



僕たちの日常はまさにこれです。

彼女が見る悩ましい状況は、彼が見ると気にもならない状況です。

彼が見る好ましい出来事は、彼女が見ると不快な出来事です。



僕たちは、喜び悩みます。

そのどれもがその通りではありません。

そのどれもに違った見方があります。



僕たちは自分が見て感じるものを信じています。

真実がどうであるかではなく、自分が見て感じたものを信じているだけです。

子供は夜の寝室に揺れるカーテンを、何か恐ろしいものと信じて怖がります。

僕たち大人もこれとまったく同じことやっています。

良い感じがしようと悪い感じがしようと、やっていることはすべてこれです。



誰の視点を信じたいですか。

誰かの視点は正しくて、誰かの視点は正しくないのでしょうか。

誰もが自分が信じているものを見たいと願います。

そこに善悪正邪を決める公正な基準が存在するでしょうか。



誰も正しくない。

救いがないと感じる状況から脱出する一つのきっかけにならないでしょうか。

他者を赦そうとする一つのきっかけにならないでしょうか。



誰も正しくないと知ったとき、これまで見えなかったものが見えてきます。

お読みいただきありがとうございました。

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