不通則痛(ふつうそくつう)。中医学の言葉で、通じなければすなわち痛む、という意味です。
これが治療の原則といってもいいかもしれません。
鍼灸治療の目的は通じさせる。
通じれば痛みは軽減するのです。
通じさせる代表的なツボが合谷と太衝です。
上半身は合谷、下半身は太衝。
さらにこの二つを合わせると詰まったところを開くという作用もあります。
このような理由から多くの鍼灸師が多用しますし、一般の方でもご存じの方が多いのではないでしょうか。
不通則痛なので、痛みのある方にはほぼこれらのツボは使います。
さらに太衝はストレスを和らげるので、ストレスのある方(ない方はいないと思いますが)にはほぼ使います。
太衝は肝臓の原穴(大事なツボ)、兪土穴(同じく大事なツボ)であり、肝臓は筋肉や腱をコントロールし、丹田の辺りで下半身の筋肉をコントロールしています。
なので、筋肉に問題がある場合はほぼこのツボは使います。
このような理由からほとんどの方にこれらのツボは使います。
これらのツボを自分で押しても効果がありますか、という質問をよくいただきます。
巷ではこのツボを何回ぐらいとかこれぐらいの強さでとか言われていますが、自分の指でこのツボを触れば気が通じる、と思ってただ指先で触ればいいです。
鍼灸師と一般の方が同じツボを触って何が違うかといえば、そのツボに対する理解が違います。それだけです。
ですので、通じる、と思って触ってください。
鍼灸師は、ツボの作用機序、位置、深さ、大小、寒熱、汗や脂や毛の有無などを統合してツボを探ります。これがツボに対する理解です。
ですので、何度も言いますが皆さんは通じると思って触ってください。効果があります。
言葉でも行動でも、自分の理解が表れるものだと思います。
自分が理解しているものが世界をつくっているのだと思います。
奇跡講座でいう、「投影」というものがこれだと思います。
みなさんの「理解」というものの「理解」の一助なればと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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